田中山田の蹴球日記

RealMadrid and Football ver 3.0

デポルが大敗した理由

リアソールの呪い

レアルマドリードデポルティーボの間には「リアソールの呪い」ってのがあります。リアソールはデポルティーボのホームスタジアムの事です。レアルは、このリアソール中々デポルに勝てなかった。これが「リアソールの呪い」です。

一体どれくらい勝てなかったかと言うと、

20年の間でレアルマドリーは、リアソールで2勝しかしていない。

Deportivo la coruña Japón : リアソールの呪い

このくらいです。このサイトにレアルとデポルの歴史が綴られています。レアルのような超強豪チームが、いくらアウェイとはいえ、20年で2勝ですから、これは呪われています。

2014年9月20日 リーガ第4節 デポル対レアルマドリード

まあ、そんな呪いですが、最近は発動していません。今回も発動しませんでした。それどころかレアルはリアソールで大勝しました。8対2です。野球のスコアです。

一体、なぜ「呪い」は発動しなかったのか?

端的に言うと、デボルの守備がザル過ぎて「呪い」も発動する気が起きなかったからです。という事で、今日はデポルが大敗した理由を見て行こうと思います。

まずは城彰二だよ!

前半7分頃にあったWOWOWの解説者、城彰二実況者のやり取りです。

実況「今、見てますと、ベイルが真ん中にいるんですね」

城「そうですね」

実況「しぼっていて、ベンゼマが外に出てるんですね」

城「まあ、この辺は流動的に動いているんじゃないですかね」

これサラッと流されたんですけど、この試合において「ベイルの中への動き」は、凄く重要でした。

ベイルとモドリッチ

この試合のベイルは頻繁に中に入ってきました。なぜかと言うとデポルの中央にスペースが空いていたからです。

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白いユニフォームがレアルで左に攻めています。今ロナウドがボールを持っているんですけど、真ん中にポッカリとスペースがありますね。これです。だから右サイドのベイルは中に入ってきたんですね。ここがガバガバだから。そしてベイルが中に入ると、次にフリーになる選手がいます。

モドリッチです。

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手を挙げている選手がいますね。モドリッチです。ここを起点にパスを入れます。

デポルの守備の問題

仕組みは簡単です。

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デポルの中央にスペースがある→ベイルが入ってくる→モドリッチがフリーになる。ベイル-モドリッチ間におけるDFの綱引きです。

それでは実際に、その様子を見てみましょう。

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前半7分です。ハメスがボールを持っています。白丸がモドリッチです。この時、中央にスペースが空いていますね。このスペースを狙います。まずはベイルが中に入ります。

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ベイルにDFが付いてきました。そこでベイルはモドリッチにボールを落とします。

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モドリッチがフリーでボールを持ちました。この後モドリッチは対面のDFの股を抜いてパスを通しました。この位置でモドリッチにボールを持たれるとヤバイです。

同様に前半13分。

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ロナウドがボールを持っています。やっぱり中央が空いていますね。ここにベイルが入ってきます。

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DFは完全に遅れてます。急いで中央を埋めに行っています。

すると次はどうなるのか?

まだ画面には映ってないですけど分かりますね?

そうです。モドリッチがフリーになります。

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はい。おもいっきりフリーですね。これはヤバイです。

まあ、こんな感じで「中央のスペース+ベイルの動き」だけで「モドリッチがフリーになる」ってのが自動的に分かります。

この直後にも同様の形が起きます。

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ラモスがボールを持っています。前でベイルがDFを抑えて、モドリッチがフリーです。手を挙げていますね。

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モドリッチにボールが入りました。ここでDFが距離を詰めに行きます。すると中央にスペースが生まれて、ベイルがフリーになります。これが狙いです。

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モドリッチはフェイクを使って中を抜きます。

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ベイルにボールが入りました。モドリッチからすると楽勝です。この後デポルは細かいパス交換で中央を突破されてしまいました。

ここまで全て前半15分までのプレーです。何度も同じ形が生まれています。守備が上手くいってない証拠です。

変わらないデポル

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前半30分の場面です。中央にロナウドがいます。さすがに勘が良いです。そしてモドリッチがまた手を挙げていますね。全然変わってない事が分かります。まだスコアは一点差ですけど、これは時間の問題です。

ゆるゆるデポル

モドリッチが前を向いてボールを持つとベイルやロナウドベンゼマにパスが入ります。そして彼らに前を向かれたらデポルのレベルだと厳しいです。どう考えてもレアルの方が個人技は高いです。だからデポルはもっとキツくプレスに行って出所を潰すか?あるいは撤退してスペースを潰さなければいけません。しかし立ち上がりからデポルはゆるゆるでした。格下のチームが、こんな試合の入り方をしては勝てません。結果、デポルは大敗しました。必然です。

では一体、どの時点でデポルはヤバかったのか?

ズバリ!!

前半1分の時点でデポルはヤバかったです。

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なんじゃこりゃ!?

もうビックリするぐらいにベンゼマがフリーで飛び出しています。どうせベンゼマの事だから「オフサイドだろ?」とか思ったらオンサイドでした。

マジかよデポル!?

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下がるロナウドに敵SBが食い付いたので、裏にベンゼマが飛び出しただけなんですけど、

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こうなる。

これはヤバイ。

そしてデポルは、これと同じ形から二点目を食らっています。

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さっきと全く同じ形です。ロナウドが下がって、ベンゼマが裏を狙う。デポルのラインはガタガタです。そして、さらに中央ではハメスがフリーです。

この後ベンゼマがサイドに抜けて、折り返しをハメスが決めました。

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ここからハメスがミドルシュートを撃ちました。素晴らしいゴールでした。これはデポルにとって少し理不尽なゴールに思えます。しかしサイドの守備はガタガタで、また中央にいたハメスは最初から最後までフリーでした。このレベルの選手を相手に、これだけ時間とスペースを与えれば、そりゃやられるっていう。

そんな訳で「デポルが大敗した理由」でした。ちなみにデポルの今日付けの順位は、絶賛最下位です。

次回は「マルセロが怒った!アルマドリードの守備の問題」です

やっと四節まで来ました。ナショナルマッチがある間に追いつきます。次回は2節のソシエダ戦と4節のデポル戦から、レアルの守備の問題を探っていこうと思います。

さようなら。