アルベロアの、ちょっと良いとこ見てみたい!!
前回はコエントランのカバーリングミスを検討しました。今回はレアルマドリードのクリスチャン・ベールことアルバロ・アルベロアです。
アルバロ・アルベロア
ダークナイトのようにダークな一面を持つアルベロアですが、その最たる特徴は「守備時における中への絞り」です。これを九月に行われたリーガ第三節のレアル対アトレティコ戦から見ていきたいと思います。
前半13分です。白いユニフォームがレアル。画面左側に向かってアトレティコが攻めています。この時、右SBのアルベロアはマンジュキッチに付いてサイドへと戻っています。その様子を中央のコケが確認しています。この時コケの目には「マンジュキッチが壁になってアルベロアを押し込んでいる様子」が映っています。そんな訳で、コケは安心してボール方向に顔を戻します。
コケがボール方向を見ました。すると、この瞬間にアルベロアは方向転換!!
コケがボールをトラップ。この隙にマンジュキッチを捨てて一気にコケとの距離を詰めます。
コケが前を向くと、そこにはアルベロアが!!
ドン!!
クロースがボールを回収。アルベロアの絶妙な寄せのタイミングでした。
アルベロアの攻撃的守備
こういった中へのアタックは自分のマークを捨てる事にもなるので、タイミングを間違うと致命的です。一方でアルベロアのように上手く中に絞る事が出来ると、中盤で「+1」となり、かなり優位に試合を進める事ができます。
レアルの守備の問題とアルベロア
ここからはレアルの守備の問題と絡めてアルベロアを見ていきます。前半26分です。
一枚目と二枚目の違いが分かりますか?
一枚目は前半26分40秒にアトレティコの遅攻を受けた場面です。二枚目は前半26分52秒にアトレティコのショートカウンターを受けた場面です。遅攻でも速攻でもスペースが空いてしまっていますね。特にモドリッチの後ろにスペースが空いています。
この時のレアルは中盤のスペースが埋められなくて非常に困っていました。特にクロースが不当に批判されていましたが、そんな個人の次元の話ではないです。ハメスもかなり守備を頑張っています。しかし、そもそも中盤が三枚だと、どうやってもスペースは埋まりません。これは完全にブラックです。明らかに人数が足りていません。
そこで登場したのがアルベロアです。
先ほどの二枚目の続きです。アトレティコの選手がドリブルで突っ込んできます。中央で腰を落としている選手がモドリッチです。
アトレティコの選手が突っ込んで来ました。モドリッチはパスを読んで右に動きます。
モドリッチの読みは見事に外れて、コースを空けてしまいました。素通りです。これが問題で、モドリッチとクロースの二人は守備専じゃないのに、ここで食い止められないと、後ろにカバーがいない。そして最終ラインが曝されてしまう。
そういう訳で、ここからアルベロアが一気にモドリッチの裏のスペースを埋めに行きます。
グッと詰めてますね。大外のアルベロアが中に絞って中盤のフォローに入ってます。
続いて前半28分のシーンです。
レアルのカウンターです。右に攻めてます。ロナウドがモドリッチにボールを落とそうとしますが、ズレてアトレティコの選手に拾われてしまいます。
あっ。アトレティコの選手にボールを拾われてしまいました。ピンチです。そんな訳で、ここもアルベロアがモドリッチのフォローに入って、
グッと寄せて、
ボールを回収。そしてサイドへと展開。
スペースを埋める
攻撃ではモドリッチにおんぶにだっこのアルベロアですが、守備ではモドリッチを支えていました。そしてバンバンとボールを回収していました。
アンチェロッティは、このようにして埋まらない中盤のスペースを埋めにいきました。まあ結局、この試合は負けたんですけど。
こういった感じで、守備では頼りになる存在がアルベロアです。という事で「レアルのケンカ番長アルベロアの特徴」でした。
次回は「マルセロの性向」か「デボルが大敗した理由」です。さようなら。