第二回 : ベイルのミドルシュート時におけるルックアップとルックダウンのタイミング
全三回に渡り、ベイルのルックアップのタイミングを紹介する。
第一回に続いて、今回は第二回「ベイルのミドルシュート時におけるルックアップとルックダウン」について取り扱う。
ベイルの首振りのタイミング
以下の画像は2014年2月22日に行われたリーガ25節、レアル・マドリード対エルチェ戦から、後半27分にガレス・ベイルがミドルシュートを撃った際のプレーである。白いユニフォームがレアルで、左に攻めている。黄丸がボールで、画面右に向かって動いている。
ベイルは味方がボールをトラップした瞬間は、ボールを見ている。しかし、味方がボールをトラップする直前と、パスモーションに入る瞬間、そしてボールがピッチ上を転がっているタイミングで、ベイルはボールから目を離して周囲の情報を取り入れている。前回と同様に、ベイルは短い間隔の中で三度も首を振って周囲を確認している。
ベイルは、この地点からミドルシュートを撃った。
ベイルのルックアップ
ボールに触れている瞬間は、足がボールに触れているので、ボールを見る必要がない。よって、顔を上げて周囲の情報を取り入れる。ルックアップ。
また、ボールに触れる直前もボールの軌道が安定しているのならボールを見る必要はない。よって顔を上げる。ルックアップ。
さらに、自身の前方にボールがある瞬間も周辺視野によって、ボールを捉えられるので、ボールを見る必要がない。ルックアップ。
ベイルのルックダウン
ベイルが顔を下げたのは、足を組み替える際に軽く、そしてシュートモーションに入る直前の二度だけだった。 この時は、ボールを見る為にルックダウンした。
適切なルックアップとルックダウン
ミドルシュートの場合は、ゴールの位置とGKのポジションの情報が重要になってくる。その際、必要でない状況で、ボールに注視していると、それだけ次のプレーに対する動きが遅れる。遅れた分だけ状況は変わってしまう。状況が変われば行動も変わる。
ミドルシュートを撃つ際には、ベイルのようなシュート威力とは別に、ベイルのような適切なルックアップが必要になってくる。